フィラリア症

フィラリア症は蚊が媒介する、致死的な疾患です。フィラリア症の犬から血を吸った蚊が、次の犬(または、猫やフェレット)へ伝染させます。感染したフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)は、体内を移動しながら、成長し、最終的に心臓にたどり着きます。そこで、いろいろな障害を起こしたり、子虫(ミクロフィラリア)を生みます。症状としては、運動を嫌がったり、咳をしたり、呼吸が荒くなったりします。症状が進むと、腹水が溜まったり、呼吸不全、循環不全を起こし、死亡します。
フィラリア症の予防薬は、蚊の出現する時期に合わせて投薬します。地域によってその時期が異なりますので、かかりつけ医にご相談ください。予防薬はいろいろなメーカーから出ており、食べやすいチュアブル・タイプやいろいろな消化管内寄生虫も同時に駆虫できるマルチ・タイプもあります。

ワクチン

ワクチン(予防注射)とは、病原微生物を人為的に弱毒化または死滅させて、体内に接種し、身体に免疫抗体を作らせる手法です。ワクチン(予防注射)接種により身体に免疫抗体が備わると、ワクチンと同じ感染症が侵入したときに、症状を和らげる効果があります。
新生児は、母親からの胎盤を通しての移行抗体や初乳のおかげで、生後2ヶ月ぐらいまでは、感染症から守られています。これらの移行抗体が少なくなる生後2ヶ月以降は感染症に対して、非常に弱くなります。この時期に第1回目のワクチン(予防注射)を接種します。その後、1ヶ月後にも同様にワクチン(予防注射)接種を行い、抗体価の上昇を確立します。場合によっては、さらに1ヶ月後に3回目のワクチン(予防注射)接種を行うこともあります。
年に1回の追加接種を行い、高い抗体価をキープし、万が一の感染症に備えます。